高齢化に伴い、睡眠不足と感じる方が増えているようです。
厚労省のHPを見ても高齢者と睡眠に関する専用のページが用意されるくらい、シニア世代でも大きな課題となってきている不眠症。
なぜ高齢者は睡眠不足に陥りやすいのでしょうか?また一体どのような関係があるのでしょうか?本記事では、睡眠不足と認知症の関係性について様々な情報がありますのでご紹介します。
不眠に関する症状に覚えがある方はぜひ最後までお読みください。
1.高齢者は睡眠量が少なくなる?
高齢と共に睡眠量が減ると言われています。
主な原因は、老化に伴う身体機能の衰えによるものです。年をとると脳や身体が正常に機能するために必要な栄養や酸素の取り込みが低下するため深い眠りに入りにくくなります。
また、昼間の活動量が低下し、体力消耗量が少なくなることも要因に挙げられます。
そのため眠りの質が低下し、寝入りが悪くなったり、朝早く目が覚めてしまうことがあります。他にも、高齢者に多い疾患や薬の副作用も睡眠不足を引き起こすことがあります。
これらの要因が重なって、高齢者は睡眠量が少なくなりやすいのです。
2.睡眠不足は認知症の原因となる
睡眠不足が認知症の原因となる理由は、脳における不可逆的な損傷が関与しているとされています。簡単に言えば、睡眠不足により脳の機能が低下し、神経細胞の細胞死が進んでしまうことがあるためです。
特に、深い睡眠において脳が脳脊髄液を通じて老廃物を排出することが知られています。
一説には睡眠不足により老廃物の排出が不十分になり、脳内にたまった有害物質が神経細胞にダメージを与えることで認知症のリスクが高まると考えられています。
また、睡眠不足によって脳が十分な休息をとることができず、記憶力や学習能力が低下することもあります。これは、睡眠中に脳が繰り返し情報を処理し、記憶を定着させるためと言われており、睡眠不足に陥ることで、記憶定着のプロセスが妨げられるため、認知症の発症につながることがあるとされています。
このように、睡眠不足は認知症に対するリスクを高めるため、適切な睡眠習慣を身につけることが重要です。
3.高齢者は睡眠の質が低下しやすい
高齢者は睡眠の質が低下しやすいとされています。その原因として挙げられるものが老化に伴う身体的なホルモンバランスの変化です。
具体的には、脳内でのメラトニンというホルモンの分泌量の低下あげられます。メラトニンは体内時計をコントロールするホルモンであり、睡眠を調整するために重要な役割を果たしています。年を取ることでこのメラトニンの分泌が減ることがあります。
症状としては、睡眠の深さや持続時間に影響を与え、朝早く目が覚めたり夜中に目が覚めたりすることがあり結果的に慢性的な不眠症になりえるのです。
4.高齢おける睡眠不足の改善方法
高齢者の睡眠不足を改善するためには、いくつかのポイントがあります。
まず、睡眠環境を整えることが大切です。寝室の温度や湿度、照明、騒音などが睡眠に与える影響は大きいため、整った睡眠がとれる快適な環境作りを目指しましょう。リラックスできるような香りやストレッチなども効果的です。
また、規則正しい生活リズムを作ることも重要です。毎日同じ時間に寝たり起きたりすることで、狂いがちな体内時計が整い、睡眠の質が向上します。同じ時間に自然と眠くなるような状態が理想的です。
さらに、日中の活動量を増やすことも睡眠改善に効果的です。適度な運動や散歩などを行うことで体を疲れさせ、夜の眠りを深くすることができます。買い物を歩いて行うなど日常のサイクルで習慣化させていきましょう。
一般的には上記のような対策を行う事で睡眠の質を上げられるとされています。
5.まとめ
今回は、高齢に伴う睡眠不足と認知症の関係について解説しました。
健康的に過ごすには、毎日の睡眠は重要なものとなります。とくに老化と共に睡眠の質そものもが低下しやすいと言われていますので、適度な運動やリラックスする活動などストレスをためない工夫も必要です。
規則正しい生活を送れるよう毎日のリズムを大切にしましょう。
最後に、医師の指導のもと、必要に応じて睡眠薬の使用を検討する方法もあります。必要に応じた医療的なアプローチも睡眠の改善には有効的になる場合もあります。
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