止まらない乾いた咳、それはマイコプラズマ感染症かもしれません。
現在、マイコプラズマ感染症という呼吸器感染者数が増加しています。そこで本記事では、マイコプラズマ感染症の基本的な症状や原因、治療法について解説するとともに、インフルエンザとの違いをまとめるとともに、今なぜマイコプラズマ肺炎が増えているのかを解説します。
発熱はもちろん、長引く咳に悩む方は、もしかしたらマイコプラズマ感染症かもしれません。気になる方に参考になれば幸いです。
1. マイコプラズマ感染症とは?
マイコプラズマ感染症とは「マイコプラズマ・ニューモニエ」という小さな細菌が原因で起こる呼吸器感染症です。マイコプラズマ肺炎とも言われます。
小学生以上の学童や若い成人によく見られますが、年齢を問わず発症する可能性があります。
特徴的なのは、乾いた咳が長く続くことです。数週間、場合によっては1ヶ月近くも続く咳に悩まされる方も少なくありません。
インフルエンザのように飛沫感染し、咳やくしゃみをすることで広がっていきます。
2. マイコプラズマ肺炎の主な症状
マイコプラズマ肺炎の主な症状は以下の通りです。初期症状は風邪に似ており見分けが難しいことがあります。
乾いた咳: 最も特徴的な症状で、痰が絡みにくい咳が続きます。
発熱: 微熱から高熱まで幅広く発熱します、個人差があります。
喉の痛み・頭痛: 感冒症状がみられる場合も多いです。
倦怠感: 疲労感や全身のだるさを感じる方もいます。
その他の症状として吐き気、下痢、腹痛、耳の痛み、湿疹、喘鳴(ヒューヒューという呼吸音)などが現れることもあります。
また、潜伏期間も2〜3週間と比較的長く、重症化すると肺炎や合併症を引き起こすこともあります。そのため早期の診断と治療を行うのが大切です。
3. マイコプラズマ感染症の感染経路と予防法
マイコプラズマ・ニューモニエは、主に飛沫感染によって広がります。患者の咳やくしゃみで飛び散った細菌を含む飛沫を吸い込むことで感染します。潜伏期間は2~3週間と比較的長いため、感染に気づかず周囲に感染を広めてしまう可能性があります。
予防策:
手洗い: 石鹸を使い、丁寧に手を洗いましょう。
咳エチケット: 咳やくしゃみの際にはマスクを着用したり、肘で口を覆いましょう。
人混みを避ける: 流行期には人混みを避けるのが有効です。
学校や職場での感染拡大には注意が必要です。
また、マイコプラズマ感染症は一度かかっても再感染する可能性があるため、手洗いやうがい、マスクの着用を心掛けましょう。
4.マイコプラズマ感染症とインフルエンザとの違い
マイコプラズマ感染症とインフルエンザは、特に乾燥する冬に流行しやすいという点で関係があります。
ただし、両者は原因が異なるため治療法も異なります。インフルエンザの流行期に、乾いた咳が長引く場合は、マイコプラズマ肺炎の可能性も考慮し医師に相談することが大切です。
特徴 | マイコプラズマ感染症 | インフルエンザ |
原因 | マイコプラズマ・ニューモニエ(細菌) | インフルエンザウイルス |
主な症状 | 乾いた咳が長期間続く | 高熱、筋肉痛、全身の強い倦怠感 |
感染経路 | 咳やくしゃみによる飛沫感染 | 飛沫感染、接触感染 |
5.マイコプラズマ感染症患者が増加している理由
近年、マイコプラズマ感染症の患者が増加している背景には、以下の要因が考えられています。
(1) 免疫力の低下
新型コロナウイルス感染対策として、人々がマスクの着用や外出制限、消毒の徹底を行ってきた結果、日常的な病原体との接触が減少しました。
この生活習慣の変化により、人の体の免疫システムが適応する機会が減り、感染症への抵抗力が弱まったためと考えられています。そのため一度流行が始まると感染が広がりやすくなります。
特にマイコプラズマ感染症のような呼吸器感染症は、この免疫力の低下が一因となり、流行しやすくなっていると考えられています。
(2)接触機会の増加
新型コロナウイルスの感染対策が緩和された現在、以前よりも人と人との接触機会が増加しています。
具体的には、旅行やイベントの開催が再開され国内外での移動の活発化したことで、人と人との接触が頻繁になりました。またインバウンド需要の回復より海外からの訪問者が増え、国際的な交流が活発化したことも原因にあげられます。
ほかにも季節的な要因もあり、一気に広がっていると言われています。
6.まとめ
今回の記事では、症状や気を付けるべき点、またインフルエンザとの違いなどマイコプラズマ感染症についてまとめました。
マイコプラズマ感染症は、多くの人が一度は経験する可能性がある呼吸器感染症です。特に乾いた咳が続く場合は早めに医師に相談することが大切です。
また、感染症拡大における背景を理解することで、感染予防の重要性を改めて認識することができます。
手洗いや咳エチケット、混雑を避ける行動は引き続き有効的と言えるでしょう。
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