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治験ボランティアにおけるプラセボ効果とは何か?〜有効性を判断するための重要な視点〜

更新日:3月10日



 治験において、実際の治療効果とプラセボ効果を区別することが重要です。プラセボ効果とは、偽薬(プラセボ)を投与した被験者が、実際の治療効果が期待できないにもかかわらず治療効果があるかのような反応を示す現象のことです。


今回はプラセボ効果とは何かを解説し、実際の治験でプラセボを防ぐためにどのような工夫がなされているかをお伝えします。


あくまでも参考情報となりますが、気になる方はぜひお読みください。


1.プラセボ効果とは?


 プラセボ効果は被験者の心理的な作用によって引き起こされる、いわゆるバイアスの一種と考えられています。


例えば、被験者が治験に参加することで自分が治療に参加しているという自己肯定感や、期待感などがバイアスとなり改善効果を引き起こす可能性のことです。


治験においてプラセボ効果が発生すると、実際の治療効果が過大に評価されるなど正しいデータを取ることができなくなります。そのため影響を最小限に抑えるためにプラセボ効果を制御しながら実施していくのが大切です。


2.プラセボ効果を防ぐには


 プラセボ効果を防ぐために様々な方法が試されています。


もっとも分かりやすいのがランダム化比較試験を行うことです。ランダム化比較試験とは、被験者をランダムに2つ以上のグループに分け、それぞれに異なる治療法を施すことで治療法の有効性を比較する方法です。


例えば、実際の新薬を投与するグループと、影響のない偽薬を投与するグループに分け、比較試験を行います。


このように治療法を施した結果を比較しながら有効性を評価していくのが一般的です。


ほかにもダブルブラインド法といって、治験に参加する被験者や医師などが実際に治療薬を受け取っているかどうかを知らないようにする方法や、クロスオーバー試験といって、被験者を2つ以上の群に分け、治療薬を与える順序を交差させることでプラセボ効果を軽減する方法などもあります。


3.まとめ


 治験においてプラセボ効果が発生すると、バイアス効果がかかり実際の治療効果が過大に評価される可能性があります。そのため治験におけるプラセボ効果の影響を最小限に抑えることが大切です。


長い研究のすえ、様々な方法でプラセボ効果を抑える工夫がなされてきました。


クリニプロでの治験も同様に、プラセボ効果を最小限に抑えながら実施していきます。とくに偽薬を使った検査となる場合があり、患者へ適切に医療が届くよう日々研究なされているのです。




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